院試解答研究所

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バンド構造


固体を物理的に調べる分野を固体物理という。
物理学に関わる専攻ならば、ほとんどの人間が固体物理の授業を受ける。
そしてそこでは必ずバンド構造というものを習う。
バンド構造とは波数空間における電子の存在可能なエネルギー領域を表したものであり、固体内の電子の挙動(遷移可能な領域など)を教えてくれる。
学部時代は上記のように意味は教えてもらえるが、バンド構造自体の作り方は教えてもらえない。
実際に計算してみるとわかるのだが、この計算は学部で教えるにはあまりに難しい。バンド構造の計算手法はいくつか存在するが、そのうちの一つであるk・p摂動法を例に説明する。
k・p摂動法とはk・pという項に固体の影響を閉じ込める摂動論である。摂動論とは物理学でよく使われる近似である。次に基底関数を用意する。基底(関数)の選び方であるが、これは群論の知識を用いる。群論とは本来数学で扱われる分野である。基底が決まれば、行列を求めことができる。後はそれを対角化すればバンド構造が求まるのだが、ここで扱う行列は基底の数の次元であるため、手計算では困難で実際には計算機をもちいなければならない。
以上のように、バンド構造の計算手法を教えるのに摂動論、群論、計算機の3つの知識が必要となる。どれも非常に重要な知識であるため、一朝一夕で身に付くようなものではない。特に群論は数学の分野であり物理屋にとっては難しい。だから学部では教えない。しかし、バンド構造を本当の意味で理解するためには一度は自分で作成すべき内容であり、それだけ価値があると思う。

テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

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