院試解答研究所

理工系の大学院入試の解答を作成しています。

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研究において最も大事な能力とは??

研究者を真剣に目指す人ならば、必ず一度は「研究者にとって最も大事な能力」について考えたことがあると思う。

そんな人のために、ここに一つの答えを書いておく。

研究で最も重要な能力は、

「根性」

である。

研究成果を出す上で、最終的に大事なのは結果を出すまでやりぬく根性である。

本では、きれいごとを書くことが多いため、あまりこのことは知られていないが

実際に数多くの研究者が口をそろえて言っている。

研究成果を出すには、数え切れないトライアンドエラーが必要である。

先の見えないことほど精神的に辛いものはない。

だから根性が必要なのである。

その意味で若い頃から、研究者を志す人は、部活動でもなんでも良いから

いろいろなことにチャレンジし続けることが、その素養を

鍛えることにつながる。
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偏極ベクトルとは…

今日は内部自由度の話題である。

一般に、座標に依存しないものを内部自由度と呼ぶが、これらに代表されるものに偏極ベクトルと電子スピンがある。

偏極ベクトルとは、フォトンにおいて状態を決める一つの自由度であり、このベクトルの自由度の選び方で円偏光や直線偏光といった状態を決定できる。
一方で電子スピンであるが、ゼーマン効果に代表されるように磁気などに作用する量である。

これらは、内部自由度という共通点から一般に同一視されることが多いが、この二つは異なる。

それはオペレータとしての性質である。

電子スピンの場合は、{Sx,Sy}=ihSzのように交換関係が成立する。しかし、偏極ベクトルにはその交換関係が成立しない。
その意味で、偏極ベクトルは電子スピンと大きく異なる。

この交換関係の有無は、物理現象においては非常に重要である。
なぜなら、交換関係とエネルギー固有値は密接に関係しているからだ。
そのため、現象としても電子スピンの場合はゼーマン効果などの物理現象がある一方、フォトンにはそれがない。

多くの人々が、なんとなくフォトンの変局ベクトルを電子スピンと同一視しているが、これらは異なる性質を持っている。
十分に注意されたい。

粒子?波? 量子論における二重スリット論争

ネット上でもよく論争になっている量子論の波と粒子の二重性について思う所を書く。

理論の偉い先生方でも話題に上ってました。
https://twitter.com/hal_tasaki/status/692191232521560065

まず光を使ったYoungの二重スリット実験について。

レーザーポインターを使った二重スリット実験で干渉縞が見られることは量子性の現れか?
という問いの答えはNOである。これらは古典電磁気の範囲で説明できる、波動が示す特徴である。

これがなんとなく量子っぽいという誤解が、(アマチュアの間で)広まったのは「電子の」二重スリット実験が量子性の現れであることとごっちゃになったためと考えられる。電子はもともと、陰極線などで軌道が観察できることから強く粒子だと考えられていたため、波動の特徴である干渉が起きることはほとんど直接に"波と粒子の二重性"を示しているといっていい。一方、光の場合はもともとが波だと考えられていたから、干渉効果を見たからといって"量子性"は示されない。
注意しておくと、ここでは"量子性"を"波と粒子の二重性"と同じ意味で使った。本来量子性という語の使われ方はこの意味に限らないが。さて、この二重性をよく一般向け解説書で”波でも粒子でもある”と表現しているのを見かけるが、これはかなり不正確な言い方である。強いて言えば”波でも粒子でもない”。粒子が示す挙動と波が示す挙動が両方見られるからといって、その両方であるという結論は乱暴この上ない。円錐を正面から見ると四角であり上から見ると丸であるから丸でも四角でもあると結論するのに似ている(?)。波でも粒子でもない光量子だと考えて受け入れるしかないのである。

なんの話だったっけ。そうだ二重スリット。次に問題なのはレーザーポインターの光を単一光子レベルまで減光した場合である。この際、スクリーン上に光検出の点が一つずつ現れていく。最初は干渉縞に見えないが、やがてデータ点数が増えるにつれ干渉縞が姿を現わすというものである。これは光の量子性の現れか?という問いについては研究者でも多少答えが割れそうである。例えば浜松ホトニクスの有名な実験がある↓。

https://www.youtube.com/watch?v=ImknFucHS_c

さて先ほどの問いの答えであるが、厳密には「NO」である。これは古典電磁気の範囲で説明可能である。但し!、物質系すなわち検出器側の量子化が必要である(まあそれもいらないかも‥)。要するに検出が確率的に起こる検出器があれば再現できる実験である。変な話レーザーを単一光子レベルまで減光しなくても、感度(もしくは量子効率)が極端に低い検出器(スクリーン)があればできてしまうので「光の」量子性を持ち出す必要はない。上の動画の説明は結構な誤解を招く表現がある。まずレーザーを弱めて単一フォトンとしていますが、確かに減光すれば光子数分布のうち1光子状態の確率を上げることはできますが、ポアソン分布であることに変わりがありません。減光することによって平均光子数は変えられますが分布の性質自体は変えられないので、複数光子数状態の確率を0にはできません。さらに検出器のパルスを見て一個一個きてるからこのパルスそれぞれが光子だ!とか言っちゃってますが、そもそも単一光子検出に使われるガイガーモードのAPDや光電子増倍菅は光子数を測ることはできません。光子が一個きても同時に二個きても十個きても電圧パルスを一つ出すんであって、来たか来ないかしか教えてくれません(むしろ光いっさい来てなくても熱励起で雑音パルスがでてしまいます)。

じゃあ光の量子性、もっと言えば光子の存在はどうやったら示せるのか?といえば多くの人が光電効果を挙げるだろう。が、これも物質系の量子化(半古典論)のみで説明できるというのが大方の専門家の意見だと思う。さっきのに比べるとデリケートな問題であるが、何十年も前に結構議論されていて半古典論でOKというのが多い(ちゃんと読んでないけど。大栗先生の本にも光電効果が光子の存在証明のように書いてあったが‥どうなってんだ?)。ただアインシュタインはこれでノーベル賞貰った訳であるが、当時は物質系の量子論がなかった訳で、遡ってアインシュタインは間違っていたとすることはできないという人もいる‥(どうせ彼にはいくつノーベル賞あげても足りんのでは)。Wikiには光電効果の身近な例として日焼けの説明があるが本当か?特定の周波数のエネルギーしか吸収が起きないのは振動子の共鳴周波数の問題であって、ただある周波数以上だと吸収があるってのはどうやって半古典論で説明するのか‥。電磁場の量子化なんて高尚なもんがいるのかね。

で、結局一番直接的に光子の存在を示すには、HBT干渉計で二次相関関数を測定することになります。詳しくは量子光学の教科書で。要するに光をビームスプリッタで分けて反射と透過で同時検出数を測った場合0(二次相関関数が0)になることを示せばいいです(ただこれもビームスプリッタが分けられる限界でしかないと言われればそうなんですが)。これで光子統計を区別できます。決定的なのはレーザーをいくら減光しても二次相関関数が1以下になりません。二次相関関数が1以下になる非古典的な状態は、そんな簡単にはできません。

そのように事前調査した単一光子源で二重スリットを行うことで、初めて二重性を示せます。この時二つのスリット上で待ち構えて測定した場合、決して光子は同時には検出されません。にもかかわらずスクリーン上では干渉縞が現れます。大事なのは同時に粒子の性質と波の性質を見ることはできないということです。疲れたので詳細は下の最初に単一光子干渉を観測したアスぺのグループの論文で。この論文以前は単一光子源が安定的にできてなかったので光をめちゃくちゃ減光して三ヶ月とかかけてスクリーン上に干渉縞ができるのを見てたらしいです。もちろん電場の一次の干渉である二重スリット実験の縞の明瞭度に、二次の相関である光子統計は関係ないです。

http://iopscience.iop.org/article/10.1209/0295-5075/1/4/004/meta

一般論として言えるのは「量子特有の現象」と「量子論で説明できる現象」は違うということですね。そもそも古典力学は量子論に包括されているわけでそれを量子論で説明できるのはある意味当然ですよね。量子論を使った方が解釈がしやすいこともあるわけなんですが、量子論でしか説明できないことをこそ量子現象と呼ぶべきなわけで。

東大物理工学科H27 物理学Ⅱ 第三問

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東大物理工学科H27年第一問

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